2004-01-01から1年間の記事一覧

関係性から外れて 見る

いつもよりゆっくりと自転車を走らせる。後からきた人に追い越され、歩いている人と変わらないくらいのスピード。時間、世間との距離を意図的にずらす。そんな遊び心に身を任す。 辺りを見渡す。全ては何かを主張している。 森と空の関係。時間と距離の関係…

空の住人が描いたもの

台風が過ぎ去った後の空を見る。薄い水色は照れているかのように輪郭をぼやかし、取り戻されつつある活気を聴いている。 もしも今、「これが海だよ」と言われれば、何の迷いもなく信じてしまいそうな透明さ。通り行く人たちは無意識に、コンクリートに照り返…

風景画への道程

果たして、自分は何に導かれながらここまで来たのだろうか。道草のドコまでが無駄足で、ドコからが化学変化なのだろうか。これまでの一歩にどれだけの感情を込めてきたのだろうか。 自身の内にある感情は、風景画の一部になっていれば良いと思う。嬉しさは柔…

ボンヤリ思想

引力の強さは中身の重さと比例するのだろうか。 時の流れは一定ではないのかもしれない。そう、急速に早まったり、無風状態になることもある。流れの中で生まれる気流には、どんな仕組みが隠されているのだろう。 おそらく過去の蓄積がある一定のトコロまで…

幸せの成分

曖昧というニュアンスは人との繋がりを生み出しやすい。そこにはある種、麻薬のような作用が働いているから。自我という思考は溶け出し、虹に架かる色は益々不鮮明になり、均一化という場所へと辿り着く。そこでは何を求めるでもなく、また、何も求められな…

円と位置

全てが正しいと輪が欠ける。輪が欠けないと正しいことが消える。調和ってその循環によって成り立っていると思う。輪を乱すことの出来ない人は、実は完全に正しいこととはならない。何故なら、完璧な正しさは輪を固定したものとしか受け取れないから。 もしも…

鏡の奥に在る世界

引きこもった気持ちを元の場所に戻すのには労力がいる。元の場所へと戻るまでに湧き上がる葛藤。プライドって言葉が他人事ではないということに気づかされる瞬間。 環境というのは思ってる以上に柔軟で、問題に対して無関心だ。きっと、他に多くの問題を抱え…

正しいこと

正しさにも幾つか種類がある。自身にとっての正しさ、グループにとっての正しさ。社会にとっての正しさ。日々の生活は、様々な正しさが密接に寄り添いながら形成されている。 正しさには順位があり、その順位は常に変動する。とても過激なカーレース。そんな…

日常の一側面

一日を誰とも会わないというのは、良く考えると不思議な現象だ。生きている限り、心臓が動くことを止めないのと同じ位の定義で沢山の言葉が生産されている。他者との会話をしなくとも、言葉は常に生産され続け、その言葉は自身の心に語りかけている。 言葉は…

きっとドコかに存在する海

流れについて思う。川の流れや人の流れ、会話の流れや時間の流れ。流れに対するスタンスは、その状況で大きく変わる。流れる、流れたい、流される、流されたい。 そこにある流れにどのようなポジションを取るか。それは心に描ける期待と感覚が瞬時の判断を下…

ピアノ独奏曲

人からちょっとした、それでいて当事者にとってはとても大切な悩みを相談されることがある。そのような悩みは悲しくなるほどエネルギーに満ちており、とてもシンプルな旋律が流れている。その姿は、本来ならばカルテットな筈の曲を、否応なしにピアノで独奏…

自然に対し、問いかける

想像が膨らみすぎると、人の「行為」というものがおぞましく感じられる時がある。例えば食事。30本近い歯と粘液が食物に襲いかかる。喉から始まる消化工場。死人に口なし。加工された死は料理という名に変わり果て、鈍感な脳と指はその死を弄ぶ。 死は加工…

対話の空間にあるもの

「距離」というものについて考える。人との距離、場所との距離、時間との距離。生きていると多くの距離に囲まれていて、自身を軸にその距離を測る。 大切なのは正確な物差し。その物差しを手にするには、人は多くの経験を積まなければならない。偏差値などと…

プログラムの枝分かれ

自転車に乗り、住み始めてから一年と4ヶ月が経つ街を走る。ゆったりとしたスピードで。何処かへ出かける時に急ぐ理由が見当たらない。そんな時間は本当に贅沢で、天候、街並み、人との距離。全てが愛しく感じられる。 行き着けの喫茶店でコーヒーを注文し、…

憧憬からの観察

規定されたもの、他者の取る行動。そんなトコから突然に、自身が定めているルールに気づくことがある。そのルールはこだわり、憧れとも言い換えることが出来るもの。ディテールの細部に自身を動かし続けてきた文化と再会する瞬間。 不意に訪れた自身との対面…

ささやかな神秘への手がかり

生活が変わると習慣も変わる。その変化を選択したのは自分自身なので、その変化に疑問を持たない。しかし、他者はしっかりと、その変化に反応してくれる時がある。そこで初めて、自身の変化に疑問を持ち始める。 変化への疑問。それは、習慣に対する価値観の…

セルフコントロール

スイッチが切れる瞬間は、どんな抵抗も功を奏さない。駆け引き。理性と本能の駆け引きが行なわれる。たいていの場合、それは本能が勝利を収める。しかしそれは仕方がないこと。理性が本能に勝つためには、それだけの使命感を必要とするから。 では、そんな使…

夜 満月を見上げて

どんなに些細なことだとしても、何かを作るときはイメージを大切にしたいと思っている。何度もイメージを浮かべることによって、朧気な理想像を生み出そうという試み。 イメージをしている最中は同時に、葛藤との戦いでもある。理想のイメージ通りにいくため…

自画像からの派生

自我を守る手段というものがいくつかある。心を閉ざしてみたり、また、やみくもに心を撃ちつけてみたりする。成功への報酬はない。ただ、益々沈み込み、逆上の気持ちが鎮静剤として作用してくるだけのこと。ま、所謂「逆切れ」というやつ。 何故、そんな数々…

一つの音楽が残した場所

時刻が次の日を跨いだ頃。部屋の明かりは全て消し、窓から差し込む光が白い壁に、二つの重なり合った四角形を作る。 音楽を流しながらボンヤリと、ドコに焦点を合わせるでもなく空間に身を委ねる。目は、閉じずに。 空想の世界。 朝日が出る間際の薄明かり。…

自画像という抽象画

話をしていると、それだけで素敵な気分にさせてくれる人がいる。勿論、その逆の人も。自分もその両者を行ったり来たり出来ていれば良いなと思う。何らかの言葉を引っ掛けることの出来る会話を。何故、素敵な気分になれるのか。その時に思うこと。それはその…

動いて止まる

スピードを少し落としてみる。立ち止まって辺りを見渡す。何かを[待つ]という行為。この待つという行為にどれだけの能動性を持つことが出来るか。能動的に待つためには、その先にあるイメージを信じることが大切で、ある種野性的な感覚を養うこととも繋がっ…

胸を張って言える所有物

懐かしいCDが聴きたくなって、昼空の下、窓を全開にして流す。何度も聴いたその曲。音源がなくても忠実に頭で演奏できる。もしも今、この世から音楽を楽しむ機材が消えてしまったら、自分はどれだけの音源を所有しているのだろうか。身体の中に。時々思う…

見えない世界

見えない世界がある。見えない世界は、実は身近にも存在している。見えないことに慣れてくると、その世界への関心が薄れていき、やがて、そんな世界は存在していないような生活を送り始める。見えない世界は、不意に現れる。不意に現れるので、動揺が隠せず…

失うことの裏側

時間を重ねれば、それだけの所有物、感覚が増えていく。その過程は今も継続されていて、それは同時に失うことが正比例で増えていくことと繋がっている。何事も、所有しなければ失わない。では、何故に失う怖さを知りながらも、常に所有を求めていくのか。悲…

ショートトリップ

人との繋がりって本当に面白い。何度も行き慣れた街ですら、未知なる感覚になることがあるから。そう、街に慣れることよりも、誰かと歩くことでの感覚の方が新鮮で、楽しさはその感覚に寄り添っていく。ショートトリップって、きっと頭の中での小さな旅。飽…

危ういバランス

社会を動かしているのは健全な魂なのだと思う。健全な魂を生み出すのは、健康な身体と精神。心と身体。この両者はとても密着している。このバランスが崩れると、一方が病的になってくる。逆に、バランスが取れていると、そこには平穏が両手を広げて迎え入れ…

涙の源流

どんなにノホホンと生きているようでも、見えない壁にぶつかることがある。壁を目の前にした時、何かしらの行動が始まる。飛び越える、壊す、逃げる、別の道を探すなど。個人の中から現れた壁は、比較的交渉がし易い。決定権が自身にある場合が多いから。だ…

雨から始まるつれづれな旅

「大げさな雨は嫌いだ」家のベランダを開け、夕方の薄気味悪い空を見ながら思う。見るもの、聴こえてくるもの、全てが誤魔化された気持ちになるから。大人が子供に使う手口と似ている。雨を見続ける。その日の予定を立てるとき、自分は晴れを前提としている…

書くということ

何かを書くということについて、改めて考えてみたい。自分は元来、何かを書くという行為が習慣となっていなかった。そんな自分が何かを書こうというきっかけになったのはおそらく、音楽が原因となっているだろう。もう少し突き詰めると、「音楽と文学が、自…