危ういバランス
社会を動かしているのは健全な魂なのだと思う。健全な魂を生み出すのは、健康な身体と精神。心と身体。
この両者はとても密着している。このバランスが崩れると、一方が病的になってくる。逆に、バランスが取れていると、そこには平穏が両手を広げて迎え入れてくれる。
そんなバランスで出来ている関係は、ちょっとしたズレから何かを生み出す可能性を秘めている。
俗に言う、「危ういバランス」と言うやつがそれに当たる。「危ういバランス」とはつまり、ギリギリのところでバランスが取れていると言うこと。決して崩壊を意味するわけではない。
危ういバランスと出会うのは正に、神様の手に触れる感覚。そこからどのような行動を取るかはその人次第。平穏にも、気違いにもなれる瞬間。
そんな場面に出くわした時、自分の業の深さを感じる。心も身体も止む寸前で、新しい何かへの期待に胸を膨らませているのだから。
意志があって動いているとは思えない瞬間。現実にも、夢の世界は繰り広げられているのかもしれない。
そんな状態で観える景色はあまりにも儚く、視線は常に、自身の頭上斜め上だから。
一体、生活のどの範囲までが、自分の意志で動けているものなのだろうか。
能動的と言う言葉の難しさを実感する日々。