書くということ

何かを書くということについて、改めて考えてみたい。

自分は元来、何かを書くという行為が習慣となっていなかった。そんな自分が何かを書こうというきっかけになったのはおそらく、音楽が原因となっているだろう。もう少し突き詰めると、

「音楽と文学が、自分の中でリンクした」

とでも言うべきか。

つまり、音楽と文学の間に、一つの映像が浮かんだということだ。自分はそのような、映像の浮かぶものが好きだ。きっと、我儘な気持ちがそのように動かしているのだと思う。

書き始めてから変わったこと。それは、生活の細かなところが面白く感じられるようになったことかもしれない。例えば睡眠、歯磨き、ゴミ出しなど。そんな些細なところで、空の方から見ている自分がいる。「幽体離脱って、こんな気分?」という感覚。

そしてもう一つ、人との接し方が変わった。いや、変わろうとしている。それまでは垂れ流しにしてきたことを、もう少し汲み取れるように。ろ過するためのフィルターの手入れをしたり、それをきちんと清掃するようになった。

それはつまり、今まで以上に他者、そして自身に興味が湧いてきたということなのかもしれない。

書くために人と会うという意識でいる時もあるが、全ての偶然なる出会いを、書くということで還元したいという意識。何か言いたいことがあるわけではなく、ただ、偶然なる出会いに彩りを付けたい。その気持ちがある限り、自分はいつまでも書き続けるのだろう。

出会いの数だけ物語がある。物を語れるだけの出会いを共感したい。