見えない世界

見えない世界がある。

見えない世界は、実は身近にも存在している。

見えないことに慣れてくると、その世界への関心が薄れていき、やがて、そんな世界は存在していないような生活を送り始める。

見えない世界は、不意に現れる。

不意に現れるので、動揺が隠せずにたじろいでしまう。そして、見えない世界に恐怖感を覚える。見えない世界はスグに身を隠してしまうから。

そんな見えない世界にでも、スグに防衛本能を働かせる「身体」の仕組み。その反応は理性よりも早い。とても原始的で、それでいて常に最新型だ。

常に鍛えておかないと、理性はスグに安心してしまう。本能と理性の間に生じる時間差が大きいほど、見えない世界につけ込まれてしまう。

生きている限り、様々な視線が自分を捉えることを忘れてはならない。見えない世界の住人は、自分等のことをしっかりと把握しているのだから。

見えない世界を想像してみる。見えてる世界が存在するだけ、見えない世界も存在していること。当たり前のようで、決して失ってはいけない感覚。

心を構えるということの大切さを考えた一日。