失うことの裏側
時間を重ねれば、それだけの所有物、感覚が増えていく。その過程は今も継続されていて、それは同時に失うことが正比例で増えていくことと繋がっている。
何事も、所有しなければ失わない。
では、何故に失う怖さを知りながらも、常に所有を求めていくのか。
悲しみは好きじゃない。嬉しさが好きだ。このスタンス。所有と損失の輪廻。その中でしか生きていると実感出来ない真実。重ねて減らす。その工程に何かが引っかかる。その引っかかったものが、奇跡であったり、運命という名の呪縛なのかもしれない。
所有の先に待ち構えているもの、それは死だ。死は、全ての所有を遮断する。限られた時間の中でどれだけのものを得たところで、全ての所有と別れる運命からは逃れられない。
それでも所有を求めてしまうのはきっと、所有と損失の間にある奇跡に、何らかの想い、願いを抱いているからだろう。
奇跡というのは案外、とても身近なところで起きているものなのかもしれない。