セルフコントロール

 スイッチが切れる瞬間は、どんな抵抗も功を奏さない。駆け引き。理性と本能の駆け引きが行なわれる。たいていの場合、それは本能が勝利を収める。しかしそれは仕方がないこと。理性が本能に勝つためには、それだけの使命感を必要とするから。

 では、そんな使命感はどこからやってくるのだろうか。

 使命というものを考えてみる。本能をコントロールしてしまうほどの使命とは。

 使命は自身に対して強制させるもの。その強制力には力と想像力が動いている。そう、その先に見える「未来」という形で。そのために野球選手は素振りをし、画家はスケッチを欠かさない。

 そんな強制力を持った未来に描かれているもの。それは他者との共有だ。未来に自分なりの到達点があり、その到達点には他者がいる。終わりのない未来は現在を停止させ、歴史を捻じ曲げることを忘れる。

 自身が定めるゴール。そのゴールを定められない限り、使命は強制力を持つことが出来ない。また、そんなゴールを持っている人は幸せだと思う。

 流動的なゴールをいくつも設定していくことによって、未来には想像力が広がっていく。そんな未来を見ようと思える他者がいること。理性と本能の葛藤は続く。