壁。作る者と壊す者

世の中に存在する幾つかの壁に思いを寄せる。世代の壁というのもその一つ。例えば、我が物顔で街を歩く若者と、それを嫌悪な顔つきで見送る高齢者の女性。 両者に共通していることは一つ。自分が世界の中心だと思っていること。 きっと誰もが、世界を自分中…

細胞の融合

イメージを、日々の流れの中で活かすことを考える。ソコで重要なのが、「肩の力を抜く」ということ。心に備わった肩の力を抜いたとき、日々へのイメージの溶け込み方が見えてきたりするものである。 迷ったら、動きを止める。心の中で反芻し、最高の出来を、…

優しさに含まれるスパイス                 

人に優しくなれるタイミングとは何だろうか。年を重ねるにつれ、少しずつ優しくなれる部分もあれば、私生活の延長線上に、優しくなれる部分もある。どのタイミングであれ、その時の気持ちに相違はない。 人への優しさ。偶然が呼ぶ気まぐれな高揚。 何にも縛…

桃源郷のような一夜を迎えた後に

死者を鎮魂するために、川で灯篭を流す。大きな船には観音様の絵が乗せてあり、流れていく灯篭を見守っている。坊主が集まってお経を唱え、人々は何かに対して服している。 鎮魂についての意味を考える。何に対して気持ちを鎮めようとしているのだろうか。死…

アクションの分析

何かを得るために、日々、アクションを起こしている。そう、何を選択しても、例えそれが納得いかないことであれ、物質、金、感情を得ながら生きている。 そんな世の中で一体、何も得ない場所、時間というのは存在するのだろうか。 不意にそんなことに思いを…

パイプライン

想像力が働く限り、その想像は現実となる可能性をはらんでいる。 描く。イメージ画を何度も描く。描き終えたところでうっすらと、現実にある可能性を想像する。 イメージとはきっと、現実に還元したいもの。現実とはきっと、イメージが具現化されて現れた世…

純粋思考

関係性の深い部分に触れようとすればその分だけ、宇宙よりも果てしの無い、流れ星よりも不意に訪れるリスク、予想だにしない感情が配合される。頃合いの良い調合は難しく、七夕は、成功した調合例の一つなのかもしれない。 人は、知らなければならない。調合…

感情と感覚の中に在る位置

感情は感覚を変える。時の流れ、周りとの距離、自分が取るべき行動。その感情は、五感が野生に近いときに出てくるものだと思う。では、五感が野生に近くなる時とはどんな時なのか。 一人で生き抜かなければならないと感じた瞬間、僕の五感は野生に少しだけ近…

未来への沈黙

負の感情が走り抜ける速度に一体、どれだけの人が気づいているのだろうか。負の力は道を必要としない。全てを巻き込みながら走り抜ける。竜巻のように、全てを根こそぎ取りながら。 細胞を活性化させ、負の感情は更に増殖していく。正しさの基準が変わってい…

無を繋げ合わす

能動的に破壊することは、未来へと責任を連れて行くことである。 日々の積み重ねはそのようにして、何かを結び付けている。 それが成長と呼べるものなのか。今はまだ、その答えが出ていない。 ただ、神様は、いとも簡単に運命を紡ぎ、紡ぎ出されたものに対し…

とある映画へのオマージュ

常に、運命は作り出すものでありたい。僕の世界、アナタの世界、世界を繋いでいる世界。 様々な世界を前に、どんな感情を抱けば良いのだろう。 感情に意味を問わなければならないのなら、意味の中でしか分かりあうことが出来ないのなら、僕の願うことはただ…

透明に近い葛藤

乱暴な目覚まし時計に起こされることの無い朝は雪原のようで、鳥も言葉を忘れ去る。聴こえてくるのは、微かな風のハミングだけ。果てのない空間の広がりに、自分の位置を見失いそうになる。 ふと思う。大切なのは、雪原の朝で生き延びること。 太陽と月が高…

フルムーンの夜に

その場に浮遊する余韻というものは、共有の足跡から生まれてくる。人と人、人と場所。物と空間。余韻には独自の時間軸が存在し、過去と未来を急激な引力で現在へと引きつける。 余韻とは、残すモノと嗅ぎ取るモノの距離である。 引力が浮遊している空間に触…

選択の中に漂う予感

様々な局面と出会った時、選択が生まれ、何かを選び取って生きていかなければならない。選択は不意に訪れ、軽快に現れる割に、その後の道には厳かな重みがある。 選択の中で垣間見えるもの。それが自我なのかもしれない。選択を迫られるだけの自我がそこにあ…

言葉に音を乗せて

楽しさ、嬉しさの果てに死があるのなら、一度くらいは覗いてみたいと思う。 喜びの中に潜む孤独。他者がいて、初めて知る円と位置。一人に気づいたとき、何を手にして歩くのか。 空間の彩り。風に色があることを知る瞬間。 アシンメトリーな水彩画。肌で感じ…

地図と距離

内面とは、現実とも夢とも違ったもう一つの世界で、川があり、大地があり、空がある。花は咲き、音が流れ、海辺で舟が揺れている。僕は世界に少しずつ、現実という色を塗り重ねる。 内面の世界で出会う人。その人と僕は地図を見せ合う。地図を重ね合わせてみ…

根の果てに在るもの

喜びの果てには喜びがあり、悲しみの果てには悲しみがあった。夢の先には更なる夢が、儚さの先には儚さが在る。社会の大半はこのように動いている。根本の先には根本が不随され、利きの悪いリセットを押す。 根は思っている以上に深く、そして絡まる。 この…

ダイイングメッセージ

ネズミの死骸を見た。身体は痩せ細り、灰色の毛は荒々しく逆立っている。ネズミ捕りに横たわり、血を吐いた痕跡だけは新鮮さを保っている。 埋葬はしない。ゴミ袋に入れ、明日になれば他のゴミと一緒に燃やされる。決して美化されることのない死。つぶりかけ…

関係性から外れて 見る

いつもよりゆっくりと自転車を走らせる。後からきた人に追い越され、歩いている人と変わらないくらいのスピード。時間、世間との距離を意図的にずらす。そんな遊び心に身を任す。 辺りを見渡す。全ては何かを主張している。 森と空の関係。時間と距離の関係…

空の住人が描いたもの

台風が過ぎ去った後の空を見る。薄い水色は照れているかのように輪郭をぼやかし、取り戻されつつある活気を聴いている。 もしも今、「これが海だよ」と言われれば、何の迷いもなく信じてしまいそうな透明さ。通り行く人たちは無意識に、コンクリートに照り返…

風景画への道程

果たして、自分は何に導かれながらここまで来たのだろうか。道草のドコまでが無駄足で、ドコからが化学変化なのだろうか。これまでの一歩にどれだけの感情を込めてきたのだろうか。 自身の内にある感情は、風景画の一部になっていれば良いと思う。嬉しさは柔…

ボンヤリ思想

引力の強さは中身の重さと比例するのだろうか。 時の流れは一定ではないのかもしれない。そう、急速に早まったり、無風状態になることもある。流れの中で生まれる気流には、どんな仕組みが隠されているのだろう。 おそらく過去の蓄積がある一定のトコロまで…

幸せの成分

曖昧というニュアンスは人との繋がりを生み出しやすい。そこにはある種、麻薬のような作用が働いているから。自我という思考は溶け出し、虹に架かる色は益々不鮮明になり、均一化という場所へと辿り着く。そこでは何を求めるでもなく、また、何も求められな…

円と位置

全てが正しいと輪が欠ける。輪が欠けないと正しいことが消える。調和ってその循環によって成り立っていると思う。輪を乱すことの出来ない人は、実は完全に正しいこととはならない。何故なら、完璧な正しさは輪を固定したものとしか受け取れないから。 もしも…

鏡の奥に在る世界

引きこもった気持ちを元の場所に戻すのには労力がいる。元の場所へと戻るまでに湧き上がる葛藤。プライドって言葉が他人事ではないということに気づかされる瞬間。 環境というのは思ってる以上に柔軟で、問題に対して無関心だ。きっと、他に多くの問題を抱え…

正しいこと

正しさにも幾つか種類がある。自身にとっての正しさ、グループにとっての正しさ。社会にとっての正しさ。日々の生活は、様々な正しさが密接に寄り添いながら形成されている。 正しさには順位があり、その順位は常に変動する。とても過激なカーレース。そんな…

日常の一側面

一日を誰とも会わないというのは、良く考えると不思議な現象だ。生きている限り、心臓が動くことを止めないのと同じ位の定義で沢山の言葉が生産されている。他者との会話をしなくとも、言葉は常に生産され続け、その言葉は自身の心に語りかけている。 言葉は…

きっとドコかに存在する海

流れについて思う。川の流れや人の流れ、会話の流れや時間の流れ。流れに対するスタンスは、その状況で大きく変わる。流れる、流れたい、流される、流されたい。 そこにある流れにどのようなポジションを取るか。それは心に描ける期待と感覚が瞬時の判断を下…

ピアノ独奏曲

人からちょっとした、それでいて当事者にとってはとても大切な悩みを相談されることがある。そのような悩みは悲しくなるほどエネルギーに満ちており、とてもシンプルな旋律が流れている。その姿は、本来ならばカルテットな筈の曲を、否応なしにピアノで独奏…

自然に対し、問いかける

想像が膨らみすぎると、人の「行為」というものがおぞましく感じられる時がある。例えば食事。30本近い歯と粘液が食物に襲いかかる。喉から始まる消化工場。死人に口なし。加工された死は料理という名に変わり果て、鈍感な脳と指はその死を弄ぶ。 死は加工…