未来への沈黙

負の感情が走り抜ける速度に一体、どれだけの人が気づいているのだろうか。負の力は道を必要としない。全てを巻き込みながら走り抜ける。竜巻のように、全てを根こそぎ取りながら。

 細胞を活性化させ、負の感情は更に増殖していく。正しさの基準が変わっていく。

 そんな時は、沈黙を保つことにしている。全てを流し、自身の中にある秩序に耳を傾ける。

 何が正しくて、何が間違っているのか。曖昧に漂うモノの前では、自身を信じるしかない場合もある。

 全てが元に戻るまで、僕は沈黙し続ける。

 何かが壊れるかもしれない。それを修復することは出来ないのかもしれない。それでも、自身の秩序を保たなければ、きっと全てが朽ち果てていく。

 世界のスピードからずれること。ソコに正しさがあることを信じて。沈黙の囁きが力づけてくれる。一人であることの普遍的な意味を呟きながら。