壁。作る者と壊す者
世の中に存在する幾つかの壁に思いを寄せる。世代の壁というのもその一つ。例えば、我が物顔で街を歩く若者と、それを嫌悪な顔つきで見送る高齢者の女性。
両者に共通していることは一つ。自分が世界の中心だと思っていること。
きっと誰もが、世界を自分中心として考えている。それはとても自然なことで、そうでしか、世の中にアクションを起こすことが出来ないのかもしれない。
ただ、それを自覚しているかどうかで、壁を壊すことが出来るかどうかに関わってくるのだと思う。
ドコに自身の壁を張り巡らせ、どの壁を壊すのか。
壁が崩れていく様を観ているのは面白い。乱暴な力や感情だけが、壊す力を持っているとは限らないから。
ポストに届いた手紙。座り心地の良いイス。部屋に咲く照明の影。
些細なモノが緩やかに、圧倒的な力を持って壁を破壊していく。壁を壊すことに興味が湧いてくる瞬間。
どの様に壁を壊すのか。壊せない壁がどれだけ存在しているのか。自身への一つの問いかけ。