流れ

 動くということは、自身の動きを観察するという結論に至る。現在の動きを観察することにより、それまでの動きの経過、これから動くべき道というものが見えてくる。

 立ち止まる。それは風景の一部となり、猫の関心すら引くことが出来ない。他者に何かしらのインパクトを与えたいのであれば、やはり動作が要求される。動くことによって、猫も警戒心を持った眼でこちらを窺う。

 流動的に立ち止まる。動作の一環として立ち止まる。生活の中で切り替えが必要とされる時には、そのスタンスが良い。必然的、計画的な立ち止まりは、その人の瞬発力を高める。

 大切なのは、動かないものなど何もないということ。写真はあくまで過去から今を突き動かしてくれるものであり、自身が写真の一部となってしまってはいけない。空間には常に空気が流れ、空気は心に何かしらのニュアンスを運ぶ。肉体は立ち止まっていても精神は動き続ける。地球も宇宙も、意志とは関係なしに動き続ける。

 動くことが宿命とされているならば、動くスタンスを見つめるとしよう。自身を含めた、周囲の動きというものを見つめなおそうと思うこの頃。先ずは、降っている雨に躊躇しないよう、意識が足を突き動かすイメージから。