創るべきもの

 自身が窮地に立たされると改めて、「平穏な日々とは創っていくものなのだ」ということに気づかされる。平穏な日々にもしっかりと立役者がいて、自身はその中でスクスクと育まれているのだという事実。素敵な世界を自ら儚くしているという事実。気づくと忘れかける事実。

 そんな世界で、日々の平穏を創ろうと決意した。

 決意がスパークして暴走する前に、しっかりと、その瞬間を噛み締めて、眼を瞑る。

 自身のことなら、深刻になるものなど何もない。ただ、深刻と怯えを混同しないようにすればいいだけ。艶やかに、人の心を艶やかに。

 噛み締めて、眼を開ける。空間には、無が存在出来ないことを見た。