ただ、つらつらと・・・

雪が降っている。世界を真っ白に変えようと、雪が微かな音を立てて降る。当然、完全なる真っ白な世界は出来ないことを、降ってる雪も知っている。目指す真っ白な世界を誰かに汚される前に、雪は自ら雨に変わり、作り上げていた真っ白な世界を溶かす。それでもまた、雪は降る。真っ白な世界が完成出来る、その時を窺いながら。

 刺激ある魂に触れ、自らもそう在りたいと願い、距離の走り方を考える。

 逃がした瞬間はやはり帰っては来なく、何にも属すことを止めてしまった。

 ふと思う。僕はしっかりと、自身の言葉を育てることが出来たのか。世に送り出せるような一人前の言葉として、しっかりと育てることが出来たのか。

 そんな無責任な親心を抱きながら、魂の揺れ方に耳を澄ませる。