静かな世界の成分
予定外なんて状況に対面すると、「意外と予定というものに縛られて生きているのだなぁ」と思ったりもする。予定なんて案外自己中心的なモノで、自身の歪みはソコから発生し、勝手にハマって勝手に悩む。
そう、歪みにハマって悩む。
解決策は、言葉にすれば簡単だ。歪みを作らなければ良い。
例えば、洗濯物をきちんとたたみ、元あった場所へと戻す。いるものといらないモノを分別し、ゴミ箱へ捨てる。ハエが飛んでいるようなら叩き殺し、供養もなく火葬をゴミ処理場へ委ねる。部屋の中が心なし簡素なモノに見える。無機質な中に潜む至福の感情。その感情のベクトルは明らかに、歪みとは正反対の方向へと向かっているのだろう。
砂漠を見たければ、雪原を見たければ、月と太陽、その重力の狭間を覗きたければ、まずは自身の内面を見つめる。感情はその全てに属しているはずだから。
歪みも、無機質な空間も、自身に一つの世界を提案する。その中から一掴みのロマンを抽出し、未だその手すらも見えないことにもどかしさを覚える。
歪みを無機質で塗りつぶす。その繰り返しが、人生というものなのかもしれない。世界はとても静かに刻まれる。