所有って何だろう?
CDデッキの調子が悪い。正確に言えば、CDデッキの再生の調子が悪い。他の機能は問題なさそうなのだが、ただ、再生という、最も重要な機能が困ったことになっている。
これって、人間で言うところのどんな症状と言えるのだろうか。そんなことを考えながら、新たなCDを手に入れる午後。
それはさておき、部屋から音楽が無くなったことにより、我が家はとても無味乾燥なモノとなり、眼に入るモノ全てが他人事のような違和感を帯びてくる。この部屋の所有主は実は、僕ではなく音楽だったのかもしれない。
そもそも、僕は何を所有しているのだろう。何か所有をしたいのだろうか。
考えてみると、僕が所有しているものって何もない。いや、あるにはあるのだけれど、「あるのだろうか?」というようなもの。
どうせ何も所有出来ないのならばせめて、モノを垂れ流すのではなく、能動的に捨てたいと思う。「捨てる」ということが、僕の所有物となるように。
モノも時間も、受動的に生きられる世界が改めて不思議に感じる、僕に与えられた、限られた一日。