最低限という枠組み

最小限の知識を持って相手と向かい合う。この、「必要最低限」というのは「少なくとも・・・」という意味合いもあるが、「必要以上のものを持ってどうする?」とも取れる。何故、このような言葉が世にあるのだろうか。

まず、最低限という枠組みが良い。今の自分にとって必要最低限なものなど限られている。そして改めて、自分にとって本当に必要なものを考える機会にも恵まれる。過去に必要だったものが今も必要とは限らない。それは野生で棲息している動物の感覚に近いものがある。

彼等は知っている。今の自分に必要なものは何かと。

新たなものを手に入れるということは近未来に必要だろうと予測されるものであり、そこには自分だけの歴史が刻まれていく。持ち物も思想もそう。近過去にノスタルジーを感じているのは、そこに自分を踏みとどまらせることになる危険性も潜んでいる。

飛躍を望むとき、本当に必要なものだけを連れそって軽やかに飛ぶ。そんな感覚を想像することから改めて、今の自分を見つめてみたい。